ぜんそくとは
ぜんそく(正式には気管支ぜんそく)は、どのような病気か説明をする必要がないほどに、昔からよく知られている病気です。
このぜんそくという言葉は、古代中国最古の医書といわれる「素問」や「霊枢」などにも記載されており、それ以来「息をあえぐ」という意味合いで用いられています。
英語では、ぜんそくを「asthma」といいますが、これはギリシャ語に由来していて、やはり「息をあえぐ」という意味です。
ぜんそくとは、「喘鳴を伴う発作性の呼吸困難」を起こす病気ですが、この喘鳴とはゼーゼー、ヒューヒューという気管支から生じる音で、細くなった気管支を空気が通るときに音が生じます。
喘鳴が強いときには、聴診器を用いなくても聴こえます。
気管支ぜんそくは、坂道や階段の昇り降りなどの労作時に呼吸困難が生じる心臓性ぜんそくや肺気腫などとは異なり、気道が狭くなっているために呼吸困難が生じるもので、労作によらないことが特徴です。
また、ぜんそくによる呼吸困難は治療により、あるいは自然に比較的短い時間で消失します。
このような一つひとつの呼吸困難を発作と呼び、軽症のときには発作と発作の間は無症状となります。
これらを踏まえて、以前よく用いられていたぜんそくの定義は、次のようなもので、1962年にアメリカ胸部疾患学会によって提唱されたものです。
『種々の刺激に対する気管、気管支の反応が亢進しており、自然に、あるいは治療によって、その強さが変化する広汎な気道狭窄によって症状を現す疾患で、
急性または慢性気管支炎、慢性肺気腫、心血管系疾患などに由来する気道狭窄を除く。』
その後、ぜんそくの発症メカニズムが明らかになるにつれて、その根底には気遣の炎症が存在すると考えられるようになりました。
1993年に日本アレルギー学会より「アレルギー疾患治療ガイドライン」が発表になりましたが、その最新版である「喘息予防・管理ガイドライン1998改訂版」では、ぜんそくの定義は次のように変わっています。
「喘息は気道の炎症と種々の程度の気流制限により特徴づけられ、発作性の咳、喘鳴、および呼吸困難を示す。
気流制限は軽度のものから致死的な高度のものまで存在し、自然に、また治療により少なくとも部分的には可逆的である。
気遺炎症には好酸球、T細胞(Th2)、肥満細胞など多くの炎症細胞の浸潤が関与し、気道粘膜上皮の損傷がみられる。」
ですからぜんそくは今、気道の慢性炎症性疾患として考えられています。
なお喘鳴があっても、その全てがぜんそくということではなく、慢性気管支炎、肺気腫、肺門部のリンパ節腫脹、縦隔腫瘍、気管支の異物や心不全なども同様な症状を起こすことも、覚えておくとよいでしょう。
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